コロナ禍におけるリモートワークの需要増加に伴い、テレカンを導入した、もしくはこれから導入しようと検討している企業も多いと思います。
本記事では、人事・総務担当者の方々へ向け、定義が曖昧なことも多い「テレカン」の意味や、メリット・デメリット、導入するにあたっての注意点などをわかりやすくご紹介します。
リモートワークの普及でよく耳にする「テレカン」とは?その意味と由来
新型コロナウイルスの影響で、リモートワークに代表されるように、各社の業務スタイルにも大きな変化が起こりました。そのなかでも特に注目されている「テレカン」について、その意味や由来を解説します。
元々は「テレフォンカンファレンス(電話会議)」の略として多く使われていた
主にテレカンは、「Telephone Conference」の略として使用されてきました。従来、グローバルに展開する企業などが、国内外のスタッフと意思疎通を図るために用いられてきました。
テレカンを利用することで、個人間の通話にとどまらず、複数拠点との同時通話も可能です。このため、遠隔で会議を行うのに最適なサービスといえます。
固定電話回線や携帯電話など、電話を使って行う会議は全て「テレカン」と呼ばれています。
ビデオ会議が普及した現在では、「遠隔会議」全般をテレカンと呼ぶ傾向に
ビデオ会議が普及した現在ではテレカンが指す意味合いも変化してきています。
テレカンの「テレ」は、電話会議のみならず、「Teleconference (テレカンファレンス・遠隔会議)」や「Television Conference (テレビ会議)」という意味も含むようになりました。
元来、電話会議という意味をもった言葉でしたが、Zoomなどのビデオ会議システムが普及した結果、電話会議やビデオ会議を含む概念である、「Teleconference(遠隔会議)」を指してテレカンと呼ぶことが多くなりました。
この記事では、電話やビデオ会議など遠隔会議を総称したものとして「テレカン」という言葉を使います。
リモート勤務の普及や災害対策に貢献?企業がテレカンを導入するメリット
企業がテレカンを導入するメリットを、リモート勤務の普及や災害対策及び非常時の備えという観点からみていきましょう。
企業がテレカンを導入するメリット
リモートでのコミュニケーションが取りやすくなり、テレワークの推進につながる
働く場所に関わらずリモートで会議へ参加できるシステムがあれば、自宅など、オフィス以外の場所でテレワークを行っている社員も容易に会議へ参加できます。
テレカンの利用を通じて多様な働き方をサポートできるため、有能な人材の確保や生産性の向上が期待できます。
交通費や宿泊費など、「同じ場所へ集まる」ためのコストが削減できる
日本や海外に複数の拠点がある企業においても同様です。各地の代表者を参加させる会議をより低コストで実現することが可能になりました。
また、費用を節約できるだけでなく、無駄な移動時間も発生しません。コロナ禍においては、同じ場所へ複数人が集まる3密の回避にもつながります。
災害など、緊急時の事業継続性を確保できる
テレカンは、BCPとしても有効です。BCPとは、「Business Continuity Plan」の頭文字を取ったもので、緊急事態が起きた際、事業に対する被害を極限・復旧するため、平常時・緊急時を問わずに準備する対策をまとめた計画を指します。
近年、BCPは企業活動におけるリスク管理のひとつとして注目を集めています。テレカン環境を整えておくことで、緊急時の情報共有が円滑化されるため、BCP対策につながります。
【テレカン種類比較①】電話回線を利用する「電話会議」
電話会議とは、ビジネスマンの多くが所持する携帯電話や、オフィスにある固定電話を使用し、音声を中心に遠隔会議を実現する仕組みです。
電話会議のメリットは「導入が容易」で「通信品質が安定」していること
個人間の会話はもちろんのこと、複数人の会話も可能で、導入も容易です。その上、通話品質が安定しています。
会社に勤める社会人であればほぼ全ての人が携帯電話を所持しているため、場所や機器を問わず手軽に行えることもメリットです。
一方で、参加者の多い会議には向かないデメリットも
手軽さゆえのデメリットも存在しています。長所と短所を理解することは、テレカンの正しい利用につながります。
発言者の表情を読み取れないため、発言の意図を正しく理解することや、発言のタイミングを図ることが難しく、誤解や行き違いを生んでしまうこともあります。また、資料をその場で共有できないので、事前に共有しておく必要があります。
BCP対策を前提に導入する場合、固定電話を使用するサービスであればオフィスが被災した際に使えなくなるデメリットがあります。
ただし、電話機能をクラウド化することで、オフィスが被災した場合でもインターネット環境さえあればテレカンを利用できる環境を整えることは可能です。
【テレカン種類比較②】専用の機材を用いて行う「テレビ会議」
テレビ会議は、定例会議などに向いている方式です。映像を伴うため、大画面を用いて表情が確認できます。
参加者それぞれが、テレビ会議の機材がある会議室に集まり、画面を通じて会議を行います。通信状況を安定させやすいことから、互いの表情を見ながらリアルタイムの会話が可能であり、大人数の会議にも向いています。
参加者の表情が確認できる会議を、安定した通信品質で行えるのが最大のメリット
テレビ会議最大のメリットとして、参加者の表情が見えること、図表などの画像資料や動画資料をその場で共有できること、ISDN回線や専用回線を使用するため、画像・音声が良質で安定することなどが挙げられます。
専用機材の導入や機材の設置スペースなど、導入ハードルが高い点がネックに
デメリットとしては、専用機材を用いること、設置スペースが必要であることなどの理由で、導入ハードルが高いことが挙げられます。
設備の性格上、一度設置すると移設が困難であるため、汎用性や融通性に欠けることもネックです。
【テレカン種類比較③】インターネットを通じて行う「ビデオ会議(Web会議)」
インターネットを通じて行うビデオ会議は、多数の社員が個別のデバイスを使用している状況に最適な方式です。
個人が所持している端末を利用する場合は導入費用がほぼかかりません。
また、ビデオ会議(Web会議)の大きな利点として、出張中の社員でもスマートフォンがあれば会議に参加できることが挙げられます。業務環境が異なる他社・取引先と会議を行う場合も、ネット環境とデバイスがあればWeb会議を実現できます。
コロナ禍で利用者が急速に拡大。インターネット環境さえあれば使える手軽さが武器
コロナ禍で利用者が急速に拡大したインターネットを用いたビデオ会議は、設備を整えるための初期費用がほぼかかりません。
携帯電話や自宅等にあるネット回線を使用するため、多くのケースで追加の通信費用も必要ありません。(ただし、従量課金制の契約をしている社員個人の回線を使用する場合などには配慮が必要です。)
利用するソフトウェアにもよりますが、ある程度の規模まで無料でシステムを利用可能で、インターネット環境さえあれば場所を問わず会議に参加できます。
テレビ会議と同様に表情を確認できる、画像資料をリアルタイムで共有可能です。また、Web会議の特徴として、PCなどの操作画面をそのまま共有できるという点も挙げられます。このため、社内やチーム内での認識統一がしやすくなります。
ただし自宅など、ネット環境が整っていない場合はスムーズな会議が行えないことも
インターネットを利用するビデオ会議では、音声や画像の品質がインターネット環境に左右されるという問題があります。
回線や利用機器が低品質である場合には映像が止まったり、コマ送りのようになってしまったりするため、スムーズな会議とならないケースもあります。同時に、操作にはある程度のITリテラシーが必要不可欠です。
また、自宅にネット環境がない社員も一定数いることが想定されるため、その場合には別途対策が必要になります。
自社にはどの手段が適している?テレカン導入時にチェックするべき項目3つ
ここからは、自社にはどの手段が適しているのかについて、テレカン導入時にあらかじめチェックしておくべきポイント3つを解説します。
1.導入のしやすさやランニングコスト
テレカンを導入する上で、自社の環境に応じた適切な導入目的を明確にしておくことは重要です。テレカンの方法ごとの特徴を把握し、目的を効果的に達成する方式を選びましょう。
管理のしやすさ、設備の追加購入が必要かどうかなど、考慮するべき点はさまざまです。
ランニングコストについても踏まえておきましょう。一般的に、電話会議<ビデオ会議<テレビ会議、の順で費用がかかります。
2.目的と利便性を考慮した上で、最低限の通信品質が確保できるか
会議の目的や頻度、参加者の状況などを考慮した上で、利便性と通信品質のバランスがとれる手段を選ぶことが最適なシステム利用につながります。
たとえば、チーム内で頻繁に打ち合わせを行う場合は、インターネット環境や電話回線さえあれば自宅からでも簡単に参加できるサービスを電話会議・ビデオ会議がよいでしょう。
幹部会議など、決まった場所で行う頻度の高くない会議で、なおかつ利便性よりも通信品質を重視する会議では、テレビ会議が向いているでしょう。
安定した通信回線を利用することで、通信障害における発言の聞き逃し等によるトラブルを防げるため、多忙な経営層の貴重な時間を無駄にせずにすみます。
3.映像や画面共有機能の必要性
相手の表情を確認する必要があるか、資料や操作画面をリアルタイムで共有する必要があるかといった点も重要なポイントです。
音声のやり取りのみですむ会議がメインの場合は、導入や操作がわかりやすく、通信品質も安定しているシンプルな電話会議サービスを選ぶのもよいでしょう。
表情や資料を視認することが求められる場合は、テレビ会議やビデオ会議を選択しましょう。
遠隔会議の騒音問題を解決!オフィスにおすすめの個人用テレカンブース
テレカン環境を整備する場合、「オフィスでの会議音声がほかの人の迷惑になってしまう」「テレカンを行うためのスペース(会議室)がない」など、通信環境以外にも対処すべき課題があります。
解決策のひとつとして、テレカンブースの設置が挙げられます。
たとえば、低価格で高機能なテレカンブースの例として、プラザクリエイトのパーソナルミーティングボックス「One-Bo」があります。
オフィス内の自席やオープンスペースでリモート会議をする場合、イヤホンを利用するケースが多いです。
この際、自分自身の声が正確に伝わっているのかという認識が難しくなり、無意識のうちに声が大きくなり、周囲に迷惑をかけてしまうという問題が発生します。
また、オープンスペースを活用していると、最大限注意を払っていても重要な情報が漏洩してしまうリスクは回避できません。
One-Boを利用すれば、こういった問題を解決できます。
ガラス張りのドア、調節可能な机など、さまざまな環境にフレキシブルに対応できる設備が整っているため、オフィスの雰囲気を壊すことなく快適なミーティング環境を構築できます。
会社に合った制度を取り入れよう
コロナ禍でテレカンの重要性が増してきています。各企業のニーズにあったシステムを活用することで、最適な環境でテレカンを実現できるようになります。
プラザクリエイトのパーソナルミーティングボックス「One-Bo」などの設備を活用すれば、オフィスで集中して会議や業務に取り組める環境が整います。是非、導入を検討してみてください。