テレワークのストレス、どう解消する?快適なリモート勤務のためにできること

テレワーク,働き方

テレワークにより、コミュニケーションの希薄化や出社が必要な仕事と在宅の仕事とのバランスなどでストレスを感じる人が増えています。このストレスを解消するために、企業や従業員ができることは何なのか、具体的な対策についてご紹介します。

リモート勤務はつらい?!テレワークで増えたストレスの原因

リモート勤務が徐々に一般化してきていますが、リモート勤務特有のストレスが新たに問題視されています。マンパワーグループが行った「テレワークで感じたメリット・デメリット」のアンケート結果を見ていきましょう。

「ストレスが増えた点、減った点はどんなところにありますか?」という問いに対し、「時間の制約や拘束」「体調管理・体力維持」においてストレスが減ったと回答している人の割合はそれぞれ57.5%、34.3%となっています。

一方で、「仕事上のコミュニケーション」「自社内の情報共有やマネジメント」「テレワークではできない仕事とのバランス」においてはストレスが増えたと回答している人は各項目で30%以上に達しています。

この結果から、仕事上のコミュニケーションにおいて細かい意思疎通ができなくなったことに対し、約3分の1の人がストレスを感じていることがわかります。また、出社しないとできない仕事もあるため、個人レベルでのタスクマネジメントが求められ、それに対してもストレスを感じている人が多いようです。

ストレス解消のために企業ができることとは?原因別の対策方法

リモート勤務において感じているストレスを解消するために、企業側はどういったことができるのでしょうか。原因別に対策を見ていきます。

意識的な「雑談」機会の提供でコミュニケーション不足を解消

まずはコミュニケーション不足についてです。株式会社リクルートキャリアが行ったアンケート調査によると、テレワークを経験した人のうち、59.6%がテレワーク開始前にはなかった仕事上のストレスを感じており、そのうちの67.7%が、いまだにストレスが解消できていないと回答しています。

また、仕事中に「雑談」がある回答群と「雑談」がない回答群に分けると、テレワークでストレスを感じている人の割合は、「雑談」がある場合は63.2%、ない場合は77.3%でした。両者には14.1ptの差があり、仕事中の「雑談」がない人の方が、よりストレスが深刻であることがうかがえます。

具体的な対策としては、業務中に気軽に連絡を取れるチャットツールを導入するとよいでしょう。チャット形式のものを採用することで、メールではわざわざ尋ねにくいことでも気軽に質問できるようになります。

また、業務の進捗報告用・情報共有用の定例会議を開くのもおすすめです。会議を開くことで、最低限度の情報共有の場ができ、従業員が情報共有の必要性について判断する負担を軽減できるでしょう。

もう一歩踏み込んだ解消法としては、飲み会などの催しをオンライン上で開催することです。プライベートなコミュニケーションもオンラインに持ち込むことで、従業員がオンライン上での雑談に慣れることがねらいです。

また、定期的にストレスチェックを行い、問題の解消ができていないようであれば個別に相談に乗る機会を設けてもよいかもしれません。

このように、コミュニケーションの場を意図的に増やすことが、テレワークのストレスを解消するひとつのポイントとなるでしょう。

「テレワークがしやすい作業環境」を整備する

次に、従業員がテレワークを行いやすい作業環境を整えることも大切です。その方法として、情報共有用のクラウドサービスを導入するのがおすすめです。

クラウド内に資料を置くようにすれば、権限がある人ならば自分の好きなタイミングで資料をチェックできます。もちろんクラウドサービスを利用する際にはセキュリティ対策が万全なものを選びましょう。

また、出社しなければできない仕事を減らすことも重要です。代表的なものに押印作業があります。印鑑を押すためだけに出社させている会社もありますが、こういった業務は多くの場合が電子承認で代替可能です。

基本的に契約には双方の同意が必要なのであって、必ずしも印鑑による押印が必要なわけではありません。無駄な押印作業を減らし、従業員の出社の負担を減らしましょう。

さらに、従業員の自宅環境にまで留意できるとなおよいでしょう。具体的にはネット環境や、デスクや椅子などの長時間の作業に適した環境が整っているかという点です。国が支援を行っている場合もありますので、是非チェックしてみてください。

就業時間を明確にし、仕事とプライベートでメリハリをつけられるようにする

従業員の仕事とプライベートのメリハリをつけやすくすることも大切です。マンパワーグループが行った「テレワークで感じたメリット・デメリット」のアンケート結果がそれを表しています。

「ストレスが増えた点、減った点はどんなところにありますか?」という問いに対し、「プライベートと仕事との分離」においてストレスが増えたと回答している人の割合は26.3%となっています。このことから、5人に1人以上の割合でプライベートとの区別にストレスを感じていることがわかります。

企業側としてできる対策は、主に二つあります。一つは業務開始時間と終了時間を明確に示すことです。明確に時間で区切ることで、従業員側としても「この時間は仕事」「この時間はプライベート」というようにスイッチのオンオフがしやすくなり、テレワークで崩れがちな生活リズムの改善にも結び付きます。

また、規定した就業時間以外には仕事上のコミュニケーションを控えたほうがよいでしょう。就業時間以外に連絡が来れば緊急度の高い案件と思い、連絡ツールをチェックしてしまう従業員が多いからです。

結果、緊急度が高くなくても、チェックのついでに連絡に返答する場合も考えられます。就業時間とプライベートの時間の区別をしっかりとつけるため、就業時間の規定を徹底するのがおすすめです。

軽い運動や外出は、働く人がすぐに始められるストレス解消法

テレワークにより通勤の必要がなくなり、普段から運動習慣のない人は増々運動不足になっています。長期的な運動不足はストレスの原因にもなり得ます。テレワークの時代だからこそ、ストレスが限界点に達する前に、日頃から運動をする習慣を取り入れるようにしましょう。

そうは言ってもいきなり本格的な運動はハードルが高いので、まずは室内でもできる軽い運動を習慣にするのがおすすめです。例えばラジオ体操のような簡単な体操など、仕事のちょっとした休憩時間に行える運動を取り入れましょう。

慣れてきたら散歩などで外に出るのもおすすめです。もちろんコロナウイルス感染症の対策は万全に行ってください。少しの時間でも外に出ることで心身のリラックスになり、テレワークからくる落ち込んだ気分の解消、ストレスの発散に繋がります。

慣れないテレワークにより、ストレスを感じている人が多いようです。主な解消法として、コミュニケーションの機会を意図的に増やす、テレワーク環境の整備、運動習慣化をご紹介してきました。快適なテレワークライフを過ごせるように、実践していきましょう。

快適に働ける環境を整えよう

テレワークが広く普及していますが、その分、今まで感じていなかった所にストレスを感じる人が増えています。業務上のコミュニケーションや、出社して行う仕事と在宅で行う仕事のバランスが主な原因です。対策としてはチャットツールを導入したり、電子承認を推奨したりすることが挙げられます。在宅時とはいえ業務中のストレスですので、しっかりと企業がカバーに入り、従業員が快適に働ける環境を整えましょう。