2023年7月6日、FacebookやInstagramを運営する米Meta社が立ち上げたのが「Threads(スレッズ)」です。これは、Instagram版Twitterとも呼ばれる、短文投稿サービス。その利用登録者数は、最初の5日間で1億人を超えたそう。しかし、7月末時点ではアクティブユーザーが激減しているという報道も…。まだまだ未知数の「Threads」。今回は、Threadsの動向や、Twitterとの違い、利用する際の注意点。そして、Threadsの始め方から、人気の企業・著名人アカウントではどのような事が投稿されているのかまで、詳しくご紹介します。
Threads(スレッズ)とは
2023年7月6日に公開されてから、5日間で登録者が1億人を超えたという「Threads(スレッズ)」。米Meta社が立ち上げた、短文投稿サービスです。
登録者が急激に増える一方で、心配なニュースもあります。イーロン・マスク率いるTwitter運営会社は、同社の元社員がMeta社に引き抜かれ、Twitterの開発で得られた知的財産や機密情報などをアプリ開発に活用したのではないかと、一時は提訴も視野に入れているというメッセージを発信していました。
さらに、7月末には「Threadsの日間アクティブユーザーが、ピーク時から7割激減した」とされる調査結果も公表されています。実際に利用者のコメントを見てみると、
・今のThreadsはできない事が多く、アカウントを作っただけの人が多いのも納得
・フォローしていないアカウントがタイムラインに出るので、見づらい
などネガティブなコメントも少なくありません。一方で「公開されてまだ時間が経っていないし、これからに期待」とする声も多く、Meta社の動きに注目が集まっているのは確かです。
※Twitterのブランド名が「X」に変更されましたが、今回は全編「Twitter」としてご紹介します
ThreadsとTwitterの違い
Instagram版Twitterとも言われる「Threads(スレッズ)」。Twitterとの大きな違いは何なのでしょうか?
テキスト投稿の違い
Twitterで投稿できる文字数は、最大で140文字です。(有料プラン「TwitterBlue」を契約すれば1万字まで投稿可能)一方のThreadsは、500文字まで投稿できます。
一度に発信できる情報量は約3.5倍になるものの、そもそもが「つぶやき」と呼ばれる短文投稿が魅力のSNS。果たしてそのボリュームが受け入れられるのか、という疑問の声も挙がっています。
画像・動画投稿の違い
一度に投稿できる画像の数も違います。Twitterの場合は、最大で4枚。一方のThreadsはInstagramと同じ10枚です。また、投稿できる動画の長さも、Twitterは140秒、Threadsは5分と、大きな違いがあります。
Threads利用時に注意したいこと
ThreadsがTwitterと同じように使えると思っていると、思わぬ落とし穴があります。
DM機能が無い
注意すべき事の一つに、「DM」があります。
TwitterにはDM機能があります。筆者もTwitterのDMからお仕事依頼をいただくことがあります。Twitterで繋がった人とは、LINEよりもDMでやりとりする事が多く、非常に活用しているツールです。
一方のThreadsには、現時点(2023年7月)でDM機能は実装されていません。ただ、裏技として、プロフィール画面でInstagramのアカウントに飛ぶ事ができるため、そこからDMを送るという方法もあるようです。
検索しづらい
Twitterだけでなく、SNSを利用する上で重要な位置付けである「ハッシュタグ」。こちらも、現時点では実装されていない機能です。
ハッシュタグは、自身の投稿を多くの人の目に触れさせるために重要な要素。特に、企業アカウントなどの場合は、必要不可欠であると言えます。
Meta社のInstagramの責任者であるモッセリ氏は、この機能を含めた機能の拡大について「開発に取り組んでいる」と投稿しています。ハッシュタグ機能が実現する日も近いかも知れません。
また、キーワード検索もできないため、自分が調べたいこと・知りたいことに辿り着くことは現状難しい状況です。こちらも、今後の機能拡張に期待です。
PCで閲覧できない
現時点で、PCブラウザ版はありません。筆者はSNSもPCで追う派なので、これはかなり不便なのでは…と感じています。裏技として、PCからInstagramを経由し、見たいアカウントのThreadsの投稿一覧を閲覧することはできるようです。
アカウント削除はInstagramと同時
最も注意すべき点は、「アカウントの削除」です。とりあえず話題だからとアカウントを作成したものの、実際には使わなかったためアカウントを削除したい…と考える人も少なくないのでは。しかし、このアカウントはInstagramと連携しています。つまり、アカウントを削除する際は、ThreadsとInstagramの両方が削除されてしまうのです。
「削除」ではなく「利用解除」という方法もあります。こちらは、自身のプロフィールや投稿などが非表示となるもの。ログインすることですぐに復活してしまうため、完全に消える訳ではありませんが、Threadsだけの利用を停止したい場合は、この方法が有効です。
「Threads」のはじめかた
世界で1億人以上が登録し、日本でも多くの人が活用しているThreads。著名人や企業もアカウントを作成し、新たなSNSとして存在感を見せています。私の周りでも「やってみたいけど、始め方が分からない」と様子見をしている人は少なくありません。そこで、実際にアカウントの作成方法を解説します。
①Instagramのアカウントを準備
Threadsに登録するにはInstagramのアカウントが必須です。持っていない場合は、まずInstagramのアカウントを作成します。(ここでは作成方法を割愛します)
②アプリのインストール
以下のページのQRコード、もしくはAppStoreなどからThreadsのアプリをインストールします。
https://www.threads.net
③ログイン
Instagramアカウントでログインします。そのデバイスで既にInstagramにログインしている場合は、「Instagramでログイン」の下にアカウント名が表示されます。「ログイン情報を保存しますか?」と確認されるので、選択して次のステップへ進みます。
④各種設定
「プロフィール」画面で、名前・自己紹介・任意のリンク先を入力します。Instagramの情報をインポートすることもできます。「プライバシー設定」画面では、そのアカウントの公開・非公開が選べます。どのアカウントをフォローするかを選択した上で規約をチェックし、「Threadsに参加する」をタップすれば完了です。
著名人・企業アカウント事例
実際にどのように使われているのか、実態が見えないThreads。アカウントの人気ランキングを元に、著名人や企業アカウントがどのような投稿をしているのか、見てみましょう。
企業アカウント
企業アカウントでは、下記のアカウントがフォロワー数上位となっています。(2023年7月29日時点)
【1】Pokemon/308,000人
【2】Tasty Japan-人気No.1簡単料理・幸せレシピ/300,000人
【3】スターバックス公式/213,000人
【4】TOYOTA GAZOO Racing/200,000人
【5】デリッシュキッチン-料理・献立・レシピ/186,000人
1位のPokemonは投稿自体が英語表記で、世界のポケモンファンからフォローされています。そして、レシピ系のアカウントは根強い人気がある様です。Tastyjapanは、投稿が2件にも関わらず多くのフォロワーを獲得しています。Twitterに投稿しているレシピとは違った、新たなレシピが掲載されているようです。また、スターバックスも、現時点ではThreadsに投稿された顧客のつぶやきの引用や、日々の挨拶程度にとどまっています。Twitterでは新たなグッズやメニューなど積極的にユーザーとも関わっているため、企業アカウントもThreadsの使い方を模索している段階なのではないか、と感じました。
著名人アカウント
芸能人・著名人のアカウントを調べてみると、フォロワー数の多い人物は以下のような結果となりました。(2023年7月29日時点)
【1】NaomiWatanabe(渡辺直美)/512,000人
【2】TomohisaYamashita(山下智久)/323,000人
【3】TatsuyaTanaka 田中達也/289,000人
【4】有吉弘行/245,000人
【5】三上悠亜 Yua Mikami/227,000人
Twitterのフォロワー数が約771万人を誇る有吉弘行さんは、ThreadsでもTwitterでも、写真と一言を投稿しているケースが多いようです。ただ、Twitterでは自身の冠番組の告知をリツイートする事も多く、どちらかというとThreadsの方が、素の有吉さんを感じられました。渡辺直美さんは、Threadsの方では「こちらは皆さんと交流していくコンテンツにしたい」と書いています。複数のSNSを同時進行で運用する方々は、その住み分けを模索している段階の様です。
【おわりに】
いかがでしたか?7月6日に公開されたThreads。今回記事にしたのは、あくまでも2023年7月末時点の情報です。新たな機能追加など、今後の展開に期待です。
取り急ぎ、筆者はアカウントを作成しただけで、まだ何もつぶやいていません。Twitterの140文字だと「今日の取材は緊張した」など、思ったことを気軽に呟けるのですが、500文字だと文章力が見られるのでは…!と若干身構えてしまいます。新機能や周囲の動向も見つつ、うまく付き合っていけたら…と思っています。
この記事を書いたひと
三神早耶(みかみさや)
大学卒業後、広告代理店に入社。企画営業と制作進行管理を兼務。その後、出版社でコンサルティング営業、国立大学でeラーニングツールの運営や広報サポートなどを担当し、2016年よりフリーライターに。経営者向けウェブメディア等で、経営者インタビュー、組織改革、DXなどについて取材・執筆。