コロナ禍で注目を集めているオンライン商談。その商談時に必須となるのが「オンライン商談ツール」です。ここ数年でメジャーになった「Zoom」「Skype」などの無料オンライン会議システムをはじめ 、商談に特化したツールも増えています。ただ、無料で利用できるツールと商談用ツールの違いが分からない、ツールの種類が多すぎて何を選べば良いか分からない!という方も多いのでは!?
また、もっとチームの営業効率をアップしたいと考えている、マネジメント職の方。コロナ禍で対面できないお客様に、自社商品をアプローチしたいと考えている営業職の方。今後、商圏を全国に広げたいと考えている経営者の方のために、今回は特に注目されている10のサービについて、特徴や価格、機能などを中心に整理。さらには、導入事例までご紹介します。オンライン商談ツールに興味のある方、必見です!
オンライン商談ツールとは
「オンライン商談ツール」とは、その名の通りオンライン商談に利用されるツールのことを言います。2021年に実施されたディップ株式会社の調査「DXサービスの導入に関する状況(有効回収数:1,000サンプル)」によると、デジタルツールを導入済みの企業の中で、32.6%が「オンライン商談ツール」を導入したと回答。さらに、導入時期は新型コロナウイルス感染拡大後であると回答した企業が多いという調査結果となっています。コロナ禍で対面営業が自粛となるなか、オンラインでの商談を可能にするツールに注目が集まっています。
【出典】ディップDX実態調査第1弾:コロナ禍により加速した企業のDX化の実態「自社のDX化が進んでいないと感じる」中小企業の営業・販売部門は67.6%/PR TIMES
▶︎オンライン商談に失敗しないためのポイント15選!メリット&注意点も!
https://www.one-bo.com/online-deals/
オンライン商談ツールを選ぶ際の5つのポイント
ここでは、オンライン商談ツールを比較する際のポイントについてご紹介します。
ただし、これらポイントのどこを重視するか、という点は企業によってさまざま。例えば、自社の主軸商品の営業を対面からオンラインに切り替えるのであれば、将来性を見据え、多少高額になったとしても、機能、操作性など一つひとつを吟味してプロジェクトとして進めることになるでしょう。一方で、コロナ禍の期間中だけ、サブ的な要素でオンライン商談を使う、などの場合には、価格優先で決めるケースもあります。
ツールを選ぶ際には、何よりもまず「自社が何のために導入するのか」をよく理解し、決裁者の温度感も把握しておく必要があります。
1 価格
最も重要なのが、費用面です。初期費用はもちろん、月額料金はランニングコストとなるため、単月ではなく長期的な目線を持って選びましょう。といっても、単純に価格で比較すればよいというものではありません。これを導入することで、どの程度の成果と利益を見込めるのかを試算し、それに基づいて捻出できる費用感を探ります。
2 機能
オンライン商談ツールには、ビデオ通話だけでなく、画面共有、録画、チャットなどの基本機能から、自動音声入力で議事録を作成するなど、高度な機能もあります。自社がオンライン商談ツールを導入する目的をしっかり理解した上で、それを達成するためにどの機能が必要なのかを精査しましょう。
3 接続方法
主な接続方法として「ネット回線」「電話回線」があります。「Zoom」など一般的なオンライン商談ツールはネット回線を利用しており、通話料金はかからないものの、回線状況が不安定になるリスクもあります。一方で「電話回線」は、通話料金がかかりますが、安定した商談が可能となります。
4 操作性
操作性は非常に重要なポイントです。まずは、社内のITリテラシーを把握しましょう。例えば、IT系の商品を扱う企業で、ITに慣れている顧客が多いのであれば、多少複雑な操作性でも導入可能でしょう。しかし、社内・顧客どちらかでもITに慣れていない方がいるのであれば、感覚的に操作できたり、メールや電話で説明しただけで理解してもらえるレベルの操作性が必要です。
5 セキュリティ
オンライン商談には、企業の機密情報なども含まれるため、不正アクセスのリスクも潜んでいます。不正アクセスで盗聴などをされた場合に備え、SSLなどの暗号化ができているかどうかを確認しておきましょう。
おすすめオンライン商談ツール厳選10選!
※各サービスのキャプチャは別途送付します
それでは、おすすめのオンライン商談ツールを一つずつ見ていきましょう。今回は、無料で商談にも使えるオンライン会議システムと、商談専用のツールに分けてご紹介します。
※記載内容は、2021年9月時点の情報です。
とにかく無料で使いたい!オンライン会議システム
まずは、無料で利用でき、オンライン会議などにも活用されているお馴染みのツールのご紹介です。
① Zoom(Zoom Video Communications社)
◎国内シェア35%、認知度約75%の国民的ツール
◎10ライセンス以上の有料顧客数が国内2万社
◎1対1のミーティングなら無料で時間制限無し
【料金】
◎同時接続最大100名(プロプラン)/1,600円(月)
◎同時接続最大1,000名(エンタープライズプラン)/2,200円(月)など
【詳細】
コロナ禍で国内でも一気に普及したオンライン会議システム「Zoom」。圧倒的な認知度を誇り、導入を進めやすいツールです。Zoomには、画面共有、チャットなどの基本的な機能のほか、特定の人をメイン表示できる「スポットライトビデオ」や、Slackとの連携など、さまざまな機能があります。
【URL】
https://zoom.us
② Skype(Microsoft社)
◎最大100名まで無料で利用可能
◎300MGまでのファイルをドラッグ&ドロップで共有可能
◎翻訳機能があり、国際通話も安心
【料金】
◎国別の月額プランはこちら
https://www.skype.com/ja/international-calls/
【詳細】
画面やファイル共有はもちろん、リアルタイムで話している内容が文字で表示される字幕機能や翻訳など、一歩踏み込んだオンライン会議サポート機能があります。オンライン会議のみでなく、固定電話や携帯電話への通話も可能。国際電話も、一般の電話回線よりも格安で繋げることができます。
③ Whereby(Telenor社)
【ポイント】
◎アプリをダウンロードする必要がない
◎会議URLを繰り返し利用できる
◎最大4名まで時間無制限で利用できる
【価格】
◎プロプラン(3つの会議室)/9.99米ドル
◎ビジネスプラン(10の会議室〜)/59.99米ドル
【詳細】
アプリをダウンロードせず、URLをクリックするだけで参加できるため、顧客への負担が少ないといえます。また、URLを繰り返し利用できるため、同じメンバーが参加する場合、毎回アナウンスする必要がありません。ただ、無料版の場合は録画機能が無いため、例えばアーカイブを残したい場合などには注意しましょう。
【URL】
https://whereby.com
【参考】時間制限なしで使いやすい?Web会議ツールWherebyの使い方を解説/DIGITAL SHIFT TIMES
商談専用!機能や安定した通話にもこだわりたい!
次に、基本的に有料利用で商談に特化したツールのご紹介です。
④ bellFace(ベルフェイス株式会社)
◎国内シェアNo.1のオンライン営業システム
◎発売から5年で3,000社以上に導入
◎大手金融機関にも導入されたセキュリティレベル
【価格】
◎利用ID数により変動あり。詳しくはこちら
https://bell-face.com/price/
【詳細】
リクルートやNTT東日本など、多くの企業で導入実績のあるオンライン営業システム。ITツールに慣れていない場合でも容易に使うことができます。電話回線を使う「電話版」は通話が途切れず、安定した商談が可能。「レコログ機能」では、商談を録画するだけでなく、営業トークを自動でテキスト化できるため、人材育成にも活用できます。第三者認定企画ISO27001も取得しており、通信データの暗号化、不正ログイン防止対策、データの保管など、さまざまな側面からセキュリティ対策を構築しています。
【URL】
https://bell-face.com
⑤ VCRM(ナレッジスイート株式会社)
【ポイント】
◎ユーザー登録無制限で1ルーム5,000円/月〜利用できる
◎プレゼン資料の事前セットアップで、スムーズな商談が可能
◎アプリインストール、事前登録の必要なし
【価格】
◎1ルーム/5,000円(月)〜
◎初期費用/98,000円
【詳細】
1ルーム5,000円〜と、安価にスタートできる商談ツール。プレゼン資料を事前にセットしておくことで、商談中にクリック一つで画面表示できます。また、相手に電話で5桁の番号を伝えるだけで商談を開始できるため、例えば電話での問い合わせ対応から、オンライン商談にスムーズに移行できます。そのほかにも、録画機能、非公開の商談メモ機能、双方で書き込めるテキストメモ機能など多くの機能を搭載しています。
【URL】
https://ksj.co.jp/vcrm/
⑥ Calling(株式会社ネオラボ)
【ポイント】
◎導入社数2,000社以上
◎生産性2.2倍アップで、継続したいと回答した利用者94.7%
◎1ID 月額1,500円〜導入可能
【価格】
◎1ID 1,500円/月〜
◎初期費用/200,000円
【詳細】
定額で通話無制限、1ID 1,500円〜導入可能なのが特徴のツール。機能制限無しのワンプライスで、安心して利用できます。画面共有、資料ダウンロード、共有メモ、録画など基本的な機能は全て備わっています。通信相手のアカウント登録は不要で、URLを発行するだけでオンライン商談を開始できます。
⑦ B-Room(株式会社Bloom Act)
【ポイント】
◎リリース半年で500社以上の導入実績
◎双方インストール不要で、すぐに商談がスタート
◎URL接続/ワンタイムパスワードの接続方式を選べる
【価格】
◎1ルーム35,000円(月)
◎3ルーム69,000円(月)など
【詳細】
画質と音声にこだわったサービスで、表情がはっきり伝わるのが特徴。また、音声自動テキスト化機能で、商談中のメモが不要に。議事録や報告書の作成に役立ちます。また、メールアドレスを把握していない顧客に対しても商談を設定しやすいよう、8桁のワンタイムパスワードを伝えるだけで接続できる方法も。自動リマインドメール送付機能もあり、忘れられがちなオンライン商談をサポートしてくれます。
⑧ Remote Operator Sales(株式会社インターコム)
◎1ライセンス10,000円〜、初期費用無料で導入できる
◎ITreview Grid Award 2021 Summerにて顧客満足度と認知度が認められる
◎ブラウザに接続番号を入力するだけでオンライン商談開始
【価格】
◎1ライセンス/10,000円(月)〜
◎初期費用/0円
【詳細】
ビジネス向けのIT・クラウドサービスのレビュープラットフォーム「ITreview」において、顧客満足度と認知度の双方が優れていると認められた製品に贈られる「Leader」を受賞。初期費用が無く、月々1万円からスタートできる点も魅力の一つです。
⑨ ONTALK(NSSホールディングス株式会社)
【ポイント】
◎導入実績500社
◎音声入力により自動でミーティング議事録を作成可能
◎ビデオ画面・資料などの画面を自由にサイズ変換
【価格】
◎30,800円/月〜
◎初期費用/0円(キャンペーン中)
【詳細】
オントークでは、人物の顔が映るビデオ画面、資料、デスクトップなどの画面を自由にサイズ変換・切り替えできます。また、新技術搭載で、高画質・高音質の商談が実現できます。ほかにも、音声自動議事録、チャット機能など基本機能を網羅。ユーザーも無制限で追加できます。
【URL】
https://ontalk.jp
⑩ meet in(株式会社meet in)
【ポイント】
◎リリースから2年4ヶ月で3,400社以上の導入実績
◎サポート体制が万全で、使い方が分からない場合も安心
◎パソコンレンタル、光回線無料の付帯サービスあり
【価格】
◎料金については、要問い合わせ
https://meet-in.jp/#mi_two_step_section
【詳細】
meet inのURLを作成し、共有するだけで商談をスタートできます。資料・画面共有、名刺表示、チャット、契約書捺印などオンライン商談に必要な基本機能は網羅。また、サポート体制も整っており、そもそもオンライン活用が初めて、などの場合でも丁寧に対応してくれます。
【URL】
https://meet-in.jp
オンライン商談ツールの導入事例
最後に、オンライン商談ツールが実際に活用されている事例についてご紹介します。
Zutto Ride株式会社/bellFace
バイクや自転車の保険・ロードサービスなどを手がける愛知県のZutto Ride株式会社。もともとは100%訪問営業で、全国各地に出張訪問を行っていました。しかし、コロナ禍において対面営業を自粛することになり、オンライン商談を検討。まずは、bellFaceを試用してみることになります。すると、使いはじめて1ヶ月もしないうちに、これまで営業に行くことができなかった長崎県のお客様からの受注に成功。そこから、オンライン商談への自信を持つことができ、現在では商談数が訪問営業の際と比較して2倍以上になっています。
【参考】商談件数を年間1万件UPさせる事が可能!東北勤務で気づいたオンライン商談の可能性とは/bellFace
京王観光株式会社/VCRM
コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業界。京王観光株式会社も例外ではありませんでした。しかし、そんななかでも「リフレッシュのために旅をしたい」と考えるお客様のために、安心して相談できるオンライン商談システムの導入を決めます。さまざまなサービスを比較し、操作がシンプルで高齢のお客様にも利用していただけると判断したのがVCRM。
実際に相談では、お客様が希望する宿泊施設などのホームページを一緒に見ながら説明できたり、資料やカタログもボタン一つで送付できたりと、対面よりも便利に感じる点も。現在では、対顧客だけなく、社内の会議やミーティングにも活用され、時間やコスト削減にもつながっています。
【参考】従業員・お客様 双方が安心できるオンライン相談を…旅行会社が『VCRM』を選んだ理由/VCRM
テラドローン株式会社/Calling
東京にあるテラドローン株式会社では、ドローンを活用して、屋根点検業務を簡単に安全に実施することができるアプリを販売しています。商圏は全国。そのため、2018年のリリース時からCallingを用いたオンライン商談のみで営業を行なっています。結果は、半年間で200件の導入に成功。その導入企業は、関東圏以外が大半だそうです。
現在、多いときでは、1日で7〜8件の商談を実施。年齢が高くITが苦手というお客様にも、スムーズに使ってもらえたと言います。Youtubeの動画をヒントに、カメラワークや効果音などを工夫し、日々ブラッシュアップしながら、オンラインでの商談方法を磨き続けています。
【参考】《秘密はYoutuber?》ITが苦手な人にも伝わる、最新ドローン営業とは/Calling
最も重要なのは、自社が導入する目的を理解すること!
今回は10のサービスについてご紹介しましたが、やはり大切なのは自社がなぜ導入するのか、導入することでどのような課題を解決したいのか、ということを理解しておくことです。
また、導入後には運用するためのルール作りも必要となります。例えば、騒音やセキュリティの観点からオンライン商談をする場所の選定作業。アカウント数の制限もあるため、その管理も重要です。また、導入してもすぐに社内に浸透する訳ではありません。利用を啓蒙したり、使い方の分からないスタッフにはフォローしたりと、導入後の体制についても事前にしっかり検討しておきましょう!
この記事を書いたひと
大学卒業後、広告代理店に入社。企画営業と制作進行管理を兼務。その後、出版社でコンサルティング営業、国立大学でeラーニングツールの運営や広報サポートなどを担当し、2016年よりフリーライターに。経営者向けウェブメディアやオウンドメディア等で、経営者インタビュー、組織改革、DXなどについて取材・執筆。